「今日は、球技大会ねー!」


朝の食卓を囲んで、お母さんが言う。

お兄ちゃんがパンをかじりながら頷いた。


「隼人は、バスケに出るんだっけ?菜摘はテニスよね!」


楽しそうに言うお母さん。


「うん。バスケとテニス時間重なってるけどな。」

「決勝まで残ってたら見に行くよ。」


決勝だけは、どの競技も時間をずらすから、見に行ける。

昨日、みんなとも約束したんだ。


絶対決勝まで残ろーぜ!って。


紗南は、相変わらずむすっとしてたけど、大丈夫だ。

鈍くさいと思われがちだけど、紗南のボールに対する怖がり方異常だし。

怖くて怖くて、全部避けるから。