「そう、じゃあもう行っていいからね。」


そう言ってカーテンを開けた先生を追うように私もベッドを降りた。


「…失礼しましたぁ……。」


保健室から出ようと挨拶をすると、先生が口を開く。


「あ、そうだ。えーと、なんて子だったかしら。とても背が高くて綺麗な男の子。」


綺麗な男の子って…

でも、背が高いってことは恭弥かな。

独特な表現に少し笑いを堪えて、私は先生に尋ねる。


「…恭弥、ですか?小泉恭弥。」

「そうそう!その子!小泉君があなたを運んできてくれたのよ。とても心配していたから、ちゃんとお礼を言いなさいね。」


にこにこと笑って話す先生を見ていると、なんだか心が和む。


「はい!ありがとーございました!」