「よし、そろそろ行くか。ご馳走様」
時計を見て立ち上がるお父さんに、私とお兄ちゃんも同時に立ち上がった。
お母さんはキッチンに向かい、私たちが準備を終わらす頃に、お父さんとお兄ちゃんようにお弁当を持って来てくれる。
それを受け取った2人と私は、玄関で靴を履いて、3人そろって通勤通学。
「「「いってきます」」」
「いってらっしゃい」
お母さんの送り出してくれる声で、私は1日を頑張れる。
きっと、口には出さないけど、お兄ちゃんもお父さんも同じだと思う。
途中まで、3人で歩き、駅でお父さんと別れた。
お父さんは、通勤ラッシュの電車に詰め込まれて、会社へと向かうんだ。
駅に入っていくお父さんを見送って、私たちは学校への道のりを2人で歩く。
高校生と中学生にもなって、兄弟で通うなんて、って思われるかもしれないけど、
仲の良い兄妹だねーと近所の人に声をかけてもらえるのが、私は少しだけ、嬉しかった。
内緒だけどね。