高校生活にも馴れてきた5月。

私たちは、毎日変わりなくやっていた。


午前の授業を終えた昼休み。

私たちは、いつものように机をくっつけてセッティングする。


そして、男子は朝買ってきたパンを。

女子は、家から持ってきたお弁当を……てあれ?


ガサガサとカバンを漁る私。


「え、菜摘。どしたの。」

「…まさか、お前…!」


かばんを隅から隅まで見た私は顔をあげる。


「お弁当忘れた!」


みんなは、やっぱり…というふうに呆れ顔。


…朝なにしてたっけ。忘れるなんて。

朝は確か……。

あ、寝坊したんだ。


いつかの朝みたいに既に着替えてたお兄ちゃんに起こされて。

置いていかれそうになって。

慌ててお兄ちゃんを追いかけたんだよね。