「よっ!!」
「…おはよ。」
近くまで来ていたのか、すぐに、男子2人組がやって来た。
「おぉ!あとは紗南だけだね。」
「うん、待と」
新しい制服姿の皆は、見慣れているはずなのにいつもとやっぱり何か違って、私は微笑む。
「にしても、人混み減らねーなー。」
ベンチの背もたれの部分に浅く腰掛けて、クラス発表に群がる人たちを眺める晴樹。
「綾羽に感謝だね」
私が言うと、晴樹は頭が上がりません。とふざけた様子で綾羽に絡み、頭をはたかれていた。
「菜摘、体調は平気?」
笑う私の前に立ち、話しかけてきた恭弥。
受験の日のことだと察した私は安心させるように微笑んだ。
「うん大丈夫、あの日だけだった。運ないよね、受かったからいいけど。」
恭弥は、制服のせいか何となく大人びて見える。
「恭弥、また背伸びた?」
「どうだろ、まあ成長期だから。」
「いいなー。もう私止まっちゃった。」
立ち上がって背比べを始めると、普段通りの私に安心した様子で笑ってくれた。