「隼人、ぼーっとしてたら遅刻するよ」

「…うーん、」


お母さんの声に対してうるさそうに顔をしかめ、さらにあくびをするお兄ちゃんは、今にも夢の世界へと入ってしまいそう。


「菜摘、箸並べてー!
もう、ほら!隼人!早く顔洗って準備してきなさい!」

「はいはい。あーーねむ」


ぽりぽりと頭を掻きながら1度部屋を出ていくお兄ちゃんを笑って見送ってから、私は再びお母さんの手伝いを始めた。


「本当に、菜摘と隼人は兄妹なのに正反対ね」

「だね、お兄ちゃんいつもあんなだもんね」


あきれたように言うお母さんと笑い合う。

しばらくすると、今度はちゃんと制服を着こなして髪型もセットし終えたお兄ちゃんがやってきた。


そして、みんなそろって朝食を食べる。


「菜摘。勉強は順調なのか?」


お父さんの問いかけ対して、私は笑顔で答えた。


「うん!このままいけば余裕で合格だよ!」