「…人、多すぎ。」


人ごみの1番後ろから背伸びをして見るけどクラス表の紙すら全く見えない。

諦めて皆に連絡しようとグループLINEを起動させる。

そのとき、見覚えのある頭が人混みの中から飛び出した。


「…ふぅ。疲れた。」

「え、綾羽!!」

「おぉ!なつ!おはよーー!!」

「おはよー!!」


私を見て嬉しそうに笑った綾羽。

スタイルの良い綾羽は高校のブレザーも素敵に着こなしていた。


「クラス見えた?」

「ううん、とりあえず探すの大変だし全部写真撮ってきた!みんなで見よう!」


流石の行動力とアイデアマン。


「え、天才なの?」


私が感心すると、綾羽は満足げに拳を差し出し、私たちは無言でグータッチを交わした。


「他は、誰も来てないの?」

「多分?会ってないもん、あ、LINE入れてよ、そこのベンチ集合で!」


綾羽がトークルームが開かれた私のLINEに目を落として言う。

言われた通りにグループに連絡をして、ベンチに腰かけた。