校門へ入り、高校の敷地へと足を入れる。
「うわあー、高校生だあー!」
立ち止まって高校の空気を味わおうと深呼吸をする私。
「菜摘」
突然、シュンくんが私の腕を掴んで引き寄せた。
こてっとよろめきながらシュンくんの腕に支えられる。
後ろから、元気な男子生徒が走り抜けていって、シュンくんが避けてくれたのだと理解した。
「ちゃんと周り見ろよ」
「あは、シュンくんありがと。」
呆れたように見てくるお兄ちゃんにヘラりと笑って、シュンくんにお礼を言う。
「うん。そうだ菜摘、クラス分け見に行かなきゃ。大丈夫?連れて行こうか?」
そう言うシュンくんの視線の先にはすごい人混み。
「…え、あれ…?」
「そう、あれ。俺らはあっち。」
どうやら、2・3年生のは玄関を中央として1年の逆側にあるらしい。
「…そっか。大丈夫だよ、友達と合流するし!じゃあ、行ってきます!」
「了解、気をつけて」
「潰されんなよ〜」
どこか心配そうなふたりと分かれて私はクラス分けの表を見に行った。