いつもの分かれ道に来ても、今日は分かれずお兄ちゃんたちと同じ方向へ行く。
「わぁ!!こっち側行くの楽しみだったんだ!!」
「だな、菜摘も高校生だ。」
シュンくんに言われてやっと実感が湧いた。
「人多いし、デカいから迷うなよ」
お兄ちゃんに聞かれて首を傾げる。
「えー?大丈夫だよ、だって中学3クラスあったもん、4クラスに増えるだけだよね?」
その言葉に、シュンくんとお兄ちゃんは顔を見合わせる。
「普通科だけで、4クラスだから。」
「総合高校だから。他にもいろいろあって。」
お兄ちゃんは、指を折って数える。
「……12?13?」
「13だな。」
シュンくんも指折りで数えてから言った。
「え、学年で13クラス!?」
「そーゆーこと。まぁ、学科が違うと関わりもないから4クラスみたいなもんだけど。
入学式は一緒だから、人混み気をつけろよ」
えー、すごい数。舐めてたかも。
少しずつ増えていく制服姿の人達に、私は少し緊張し始めた。