家から歩いて3分ほどの小さな丘に、大翔のお墓はあった。
「…綺麗な、場所だね。」
見晴らしがよく、空が良く見える。
「だよな。星が好きだったから、家の周りのできる限り空の近くにって。
そんな理由で、ここにしたらしいよ。」
俊くんに教えてもらって、私は再び空を見上げた。
「そう、なんだ。」
大翔のお墓に近づくと、お墓の前には先客がいた。
私が高校生だった頃と同じ制服。
結構気に入ってたデザインのブレザーを着た少女がしゃがんで手を合わせていた。
高い位置で結われたポニーテールが、風でさらさらと揺れている。
私が卒業した高校の生徒だ。
制服、変わらないままなんだ。
俊くんも同じようなことを考えていたみたいで、
「…あの制服。」
と呟いて、私と視線を合わす。