菜摘の痩せ細った姿に、俺は戸惑いを隠せなかった。
隼人は、いつもお見舞いに行って菜摘に笑いかけている。
俺と同じ状況のはずの、1つ下の恭也たちも普通に話しかけている。
分かっていた。
俺もそれに続かなきゃって。
いつも通り、菜摘と話して、支えなきゃって。
頭ではずっと、思っていた。
だけど………俺には、無理だった。
菜摘は、ずっと俺の好きな子で。
妹のように話してたら、いつの間にか好きになってて。
そんな子が、弱々しく笑ったのを見て、俺は笑うことなんてできなかった。
現実を受け入れることができなくて。
その日はずっと、菜摘を見ることすらできなかった。
好きなら、向き合わないとダメなのに。
俺は………。