「…みんなは大翔との初対面がお葬式だったでしょ?」
「うん。」
会いたい会いたいって言ってて、結局……。
大翔も、皆も、お互いに話してみたいって言ってたから、
大翔の遺影に手を合わせる友人達を見て、それが辛くて仕方なくて、私は涙した。
今まで、全然覚えてなかったのに、1つ思い出した途端に次々思い出される記憶。
いつしか、記憶は芋づるのように、相互に絡まり結びついているって誰かに聞いたことを実感した。
「でも、俺は違ったんだ。」
「…え?」
私は、また知らないことが出てきて、驚きから、手の力が抜ける。
記憶違いが起きてるの?
「俺と、恭弥と綾羽ちゃんは、生前大翔と会ってる。菜摘が知らないところでね。」
俊くんは、私が勘違いしないよう、私が知らないということを強調して教えてくれた。
「えっ、恭弥と綾羽も…!?」
知らないことが、次々と言われて私は呆然とする。