……私、こんな感じの。空一面の星。
見たことある気がする。


それまで私の思い出として記憶にあった、病室からの、窓の向こうに少しだけ見える星空とは違う。

何も境がない、綺麗な星空。


はじめての、でも確かに見たことがある頭に浮かんだ星空に、私はなんだか胸がざわざわした。


「………っーーーー」


そう考えた瞬間、頭に大きな衝撃が走る。

フラッシュバックのように素早く流れていく記憶。

私は痛みを堪えきれず、手を頭に当てて体を折った。


「…菜摘?」


急に星空から目を逸らした私に、俊くんはすぐに気が付いた。

私は、薄ら聞こえた俊くんの呼び掛けに、差し出された手を強く握る。


冷や汗をかくような、鋭い痛み。

痛みに耐えるように目を閉じると、ぼんやりと浮かぶ、見覚えのない景色。