思い出話を進めていると、いつの間にか今日の目的地であるプラネタリウムに着いていた。


「わぁー!楽しみー!」


受付前から星に溢れた空間で私はわくわくと胸を高鳴らせる。


「菜摘、星ほんと好きだよね」

「うんっ!なんかね、穏やかな気持ちになるんだ、包み込まれてるみたいな。」


入院するまでは、綺麗だなぁって思う程度だったんだけど、病室から見た星空があまりに綺麗で、いつの間にか星が大好きになって、詳しくなっていた。


「楽しみだね」


俊くんは何かを思うように、優しく繊細な笑顔を向ける。

私は、初めて入る念願のプラネタリウムにわくわくして、俊くんの少し緊張した面持ちには気付いていなかった。


席に着いて間もなく照明が落ち、アナウンスが始まる。


「みなさん、こんにちは。

この上演では、この季節。夏から秋にかけてよく見える星について紹介します。」


天井一面に星空が浮かび上がり、他のお客さんから歓声が上がった。


「きれーっ」

「こんなの、快晴の日の夜じゃないと見えないよね!」

「てゆーか、こんなに綺麗な星空見れるの?」


そんな声を聞きながら私は目を見開く。