それからしばらく経った土日。
私は家で勉強をしていた。
まあ、受験生だから、当たり前と言えば当たり前なんだけど。
「…あー、またかー。」
あれからも無くなることなく突然起こる頭痛や立ちくらみ。
驚くことなく、落ち着いて治まることを待つ。
自然と対処できるようになっていて、馴れって怖いな。と少し思った。
「菜摘ちゃー……ん?…どうした?」
頭を押さえる私に、困惑したように言うのは部屋を覗いたシュンくんだった。
私は、すぐに手を離して笑顔を見せる。
「もう、シュンくん。家に馴れすぎだよー。ちゃんとノックしてー」
「あはは、ごめんごめん。」
何事もなかったように笑う私に、安心した様子で微笑むシュンくんは、遠慮なく私の部屋に入って来た腰を下ろした。