「…え、なに。どうしたの?」
「俺、俊太郎って言うんだよね。」
照れ臭そうに笑うシュンくん、改め、俊太郎くんに、私は驚きで叫びたい衝動に駆られた。
「…それで、もう気付いてると思うんだけど。」
「…へ、まだなにかあるの!?」
内心ビクビクな私は、どうにかそれを表に出さないよう努める。
「うん。俺、菜摘が好き。」
「……ん?」
「高校卒業っていい節目だと思って、今日にしようって決めてた。
菜摘、もし良かったら、俺と付き合って。」
「……え、えええええ!!」
さりげなさが過ぎて、私は、意味を理解するのに時間がかかった。
だって、本当に、買い物に付き合ってとか。
そういうレベルに聞こえるような言い方で。
そんなさりげなさが、シュンくんらしいと言われればその通りなんだけど。
なんというか、素直にびっくりだった。