その様子を見て、私は、俊くんがくれたものだったかな、と考えを巡らせた。
これまでも、俊くんや綾羽たちと思い出話をしていて何度か覚えていないことがあった。
それに、なんとなく、入院中の記憶は少ない気がしている。
「俊くんそれ、見覚えある?私、思い出せなくて。でもきっと、大事なものな気がしてて…」
私が、隣に座ると、俊くんは大事そうにそっと御守りを机に置く。
「これ見たとき、何か感じた?」
思いの外真剣に言う彼に、
やっぱり俊くんとの思い出だったかなと、少し申し訳なくなる。
「ううん、ちょっと気になったってだけ。
あ、でも関係あるかわかんないけど、病室で見た星空を思い出した。凄く綺麗な日があったんだよね」
私は、さっき浮かんだ情景をもう一度思い起こし目を瞑る。
俊くんは、しばらく考え込むようにして黙っていた。