「突然悪いね。」
「いえ…、あの、お仕事は…?」
成瀬さんは、困ったように笑う。
「仕事に手がつかなくてね。最近は、溜まっていた有休を消化しているんだ。」
「…そう、ですか……。」
私は、なんと返したらいいのか分からず俯く。
そんな私に、成瀬さんは口を開いた。
「治療、受けてないのか?」
私は、また細くなった腕を隠すことも無く、力なく笑う。
「…生きる希望が、無くなってしまったので。」
ぼそりと呟くと、成瀬さんは俯いて、そのあと突然私の手をとった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…