それから、あっという間に年が開けて1月。


相変わらず先生の雑談は長いけど、

親友たちと楽しく最後の中学生活を過ごしていた。


そんな私の、変わらない日常に変化が出始めたのはこの頃だった。


「……み、菜摘。おい、菜摘!」


だんだんはっきりとする視界に映っていたのは、既に制服に着替えた兄の姿。

しばらくボーッとしていたようで、お兄ちゃんは私の目の前で手を振って見せた。


「おーい、起きねぇと遅刻するぞー」


そう言ってから、部屋を出ていったお兄ちゃん。

しばらくしてはっきりと目が覚めた私。


やばい、これは絶対にやばい。

あの朝に弱いお兄ちゃんに起こされるなんて。