「……落ち着いた…?」


あれから何時間が経っただろう。

光り続ける手術室のランプの前にあるソファ。

そこに座る私の横に腰を下ろして、優しく聞くシュンくんに小さく頷く。


「大丈夫。ありがとう。」


そう言いながらも、震え続ける手を私は祈るようにぎゅっと握りしめていた。

シュンくんは力の入った私の両手を優しく開く。

そして、何かを握らせた。

「これ、さっきの看護師さんから渡された。大事なものなんじゃない?」


私は、手のひらに乗せられたものを見て、またぎゅっと強く握りしめた。

葉瑠姉が、シュンくんに渡したのは、大翔の、シルバーの御守りだった。


以前見せてもらった、私と色違いの御守り。


神様、もし本当にいるのなら、
どうか、どうか、大翔を助けてください…っ


私は、御守りを握りしめて、ずっと祈り続けた。