「…あぁーーーー。葉瑠姉?」
「んー?なーにー?」
治療直後の副作用はとりあえず落ち着いて、私は息をつく。
それでも、突然起きたりするから油断はできないけどね。
「…手術したらさ、この副作用からも解放される?」
私の言葉に葉瑠姉は顔をあげて微笑んだ。
「うん!もちろんだよ!」
私は、その笑顔につられて笑う。
前向きに考えてないと、心が折れそうなんだ。
「ところでなっちゃん。さっきの紳士なシュンくんとやらを待たせてていいのかい?」
にやにや笑って言う葉瑠姉に私は慌ててベッドから起きる。
「うあ!忘れてた!!」
治療後で少しふらつく足取り。
でも、そんなのは無視して、私は病室を出た。