「…ねぇ!!なっちゃんに聞いて欲しい話が沢山あるの!!

あのね、この間はるくんがね!!」

「おい紗南!それは菜摘に言わないって約束だっただろうが!」


気まずい空気が流れる病室を察してか、晴樹と紗南が明るい口調で話し始めた。

私を励まそうとしてくれているのかな?

わざとらしいくらいに明るく振る舞うみんなに、私はグッと唇に力を入れた。


心配かけちゃだめだ。明るくしなきゃ。


そう思って、笑ってみるものの、空回りしていたのか、皆の笑顔も引きつる。


その後は、私が学校を休んでいる間にあった面白い出来事をみんなが楽しく話してくれたけど、どこか気まずい空気が消えることはなかった。