「…分かった。ありがとう。大翔。」
私が言うと、大翔は頷いて空を見上げた。
「僕、すぐに星になるってずっと思ってた。けど、それはもう少し後にするよ。
僕も、手術受けるよ。
菜摘、絶対治そう。治して、一緒にいろんな思い出を作ろう。」
その言葉と一緒に、私は大翔に抱き締められる。
やっぱり、細い体だけど。
そんな体にも、簡単に包まれてしまうくらい、私も細くなっていた。
「…遊園地、行きたいな。」
「うん」
「水族館も。」
「うん」
「…学校帰りに、カフェに寄り道したい。」
「うん。」
「……あと、あと。」
言いながら、私の目にはどんどん涙がたまってきて、私は大翔に強く抱きついた。
「あはは、またゆっくり考えていけばいいよ。時間はたくさんある。」