今日は、星が綺麗だ。

眠れない夜、星を眺めることが日課になっていた私。


改めて考えてみると、病室にもすっかり馴れてしまった。

検査入院をしたあの日は、清潔なベッドにさえ戸惑ってたのに。

慣れなくて、朝も早く起きちゃって。


……今はもう、すっかり、病人だなぁ。


記憶を失う恐怖に耐えられなかった当初は、抗がん剤を頑張って生きると信じていた。

それでも、効果は現れず、副作用の症状は悪化するばかり。


腫瘍の大きさは変わらないままみたいだけど、手術を受けるという決断も出来なくて。


いつの間にか、生きることすら諦めてしまいそうな自分がいた。


毎日のようにお見舞いに来てくれるお兄ちゃん。

シュンくんの話を、客観的に聞くようになったのはいつからだろう。


……あれ、私いつから。

いつから死ぬことをこんなに身近に感じてたんだろう。


普通の学生は、もう夏服から冬風に変わる頃。

それでも、私の日常は変わらないままなんだ。