ソファに腰を下ろし、しばらくの間、沈黙が流れる。
「…鈴が、白血病なのは、知ってるよね。」
沈黙の後、大きく深呼吸をした大翔が口を開いた。
落ち着きを取り戻した様子の大翔に優しく聞かれて、私は頷く。
「昔から、何度も手術をしてるってのも聞いたかな。」
一つ一つ、言葉を選ぶようにして話す大翔に、私は耳を傾けた。
「鈴の両親は、知ってる通り病院に顔を出さないから。
鈴は、自分で病状の話も聞いてて。
昔から僕に懐いていた鈴は、病状を僕にも話すようになったんだ」
そう言った大翔は、複雑そうな表情をしていた。