「葉瑠姉ー!」
鈴ちゃんと私は手を繋いでナースステーションへと向かう。
「あらら、鈴ちゃんとなっちゃん!どーしたの?」
「あのね!お姉ちゃんとね、ボール遊びしてもいい?」
「うん、いーよ!でも、外は止めてね。体冷やすといけないから。」
葉瑠姉はそう言って鈴ちゃんを撫でて、私に視線を写した。
「なっちゃん、鈴ちゃんよろしくね。
自動販売機コーナーの左に広いスペースがあるからそこから出ないように!」
「はーい。じゃ、鈴ちゃん行こっか!」
「うんっ!!」
私たちは、葉瑠姉に教えてもらった場所へ行って、ふわふわとしたキャッチボールを始めた。
あくまでも、病院の中にある広いだけのスペース。
病室のある廊下にも繋がっているから、
あまり遠くに飛ばないように気を付けていたんだけど、
何回か続けていたら、鈴ちゃんの投げたボールが、病室の方へと飛んでいってしまった。
「「あ。」」
私たちは目を見合わせる。