ーコンコンッ


そのとき、扉がノックされた。

お母さんたちならノックなんてしないし、葉瑠姉あたりかなー。

そう思って振り向くと、ドアの向こうには誰もいない。


あれ?ノックされたのに?


そう思って、ふと視線を下げると小学生くらいの女の子がいた。


その女の子を見た私は息を飲む。


女の子は、夏にも関わらずニット帽をかぶり、少しずれたそれから覗く目の上に、眉毛はなかった。

着ているパジャマがピンクじゃなかったら、女の子だなんて分からなかったかもしれない。