「菜摘。」

「失礼します。」


学校が終わってすぐ、たっつー先生とお兄ちゃんも病室にやって来た。

入院すると連絡を受けたたっつー先生がお兄ちゃんに声をかけて一緒に来たらしい。

電話で病気のことを聞いた先生は、焦ったような表情で入ってきた。


「やっほーー!!」


あっけらかんとした私を見て、2人して安堵の息をこぼす。


「馬鹿だよ本当。」


お兄ちゃんはカバンを置いて、私の頭をくしゃくしゃと撫でる。


「馬鹿で結構!」


ニッと笑って見せるとお兄ちゃんは優しく呟いた。


「頑張れよ。絶対治るから。」

「うん!!」


優しいお兄ちゃんなんてなんか怖いけど。

結局私は、お兄ちゃんのこと大好きなんだよね。


どちらも諦めない、そんな方法を見つけた私は、かなりスッキリしていた。

そんな私の様子を見て、家族も先生も、明るくなったように見える。