「なっちゃん、おはよお」
そして、私のことを「なっちゃん」と呼ぶフワフワの髪の毛を遊ばせてる女の子も、同じくグループの一員。
夏目紗南~Natsume Sana~
紗南は、綾羽とは打って変わって、大人しいイメージを与える子。
超乙女で、お菓子作りが趣味なんていう女子力の塊。
期待通りだとは思うけど、どんくさくて体育は苦手分野。
頑張り屋で、考えすぎて1人で爆発しているのをたまに見かけるから、目が離せない末っ子的存在である。
2人とも、私の大好きな親友なんだ。
「とりあえず、教室行くね」
私は、いったん窓から離れて、しっかり玄関から教室へ入った。
席について、カバンを片付けてから、綾羽と紗南のもとへ向かう。
2人はまだ、窓にしがみついていた。
「なに、まだ来てないの?」
私が聞くと、2人は不安そうに頷く。
「うん、大丈夫かなあ」
「あと3分しかないからね、遅刻説ある」
時計を確認してから苦笑いを零す私。