会話がなにもないまま、病院へ到着。
私は、入学当初に買ってもらった真新しいスマホを眺めていた。
球技大会で電源を切っていた状態から、久しぶりに電源を入れると、
すごくたくさんの着信履歴とメッセージの通知数で驚く。
「だいじょーぶ?」
「病院どうだったの?」
「学校来れねーの?」
「早く元気になれよ。」
綾羽たちからが大半だったけど、シュンくんからも何件かメッセージがきていた。
「菜摘、平気か?」
「みんな、すげー心配してるよ。」
「………俺も、心配。」
すごく嬉しくて、私はスマホを握りしめる。
何て返したらいいのか分からないから、誰にも返信はしてないけど。