あまり、寝た気がしないまま朝が来て、病院へ行く準備を始める。

今日は、お父さんと2人で行くことになった。

お兄ちゃんは学校があるし、お母さんは昨日と今日で精神的に疲れてしまったのか、

寝込んでしまっていたから。


「…じゃ、いってきます。」

「あ、待って!」


家を出ようとするお兄ちゃんを私は呼び止めた。


「なに?」

「私のこと聞かれても、言わないで。」

「……あぁ、分かった。気をつけろよ」


そう言って、お兄ちゃんは学校へと向かった。


「じゃあ、菜摘。行くぞ。」

「はーい。」