パーティーは何事もなく進んでいた。
「お嬢さん。僕と一緒に踊ってくれませんか?」
「えっあっ…お姉様…」
はい、こちらパーティー会場です。
ただ今、エミーラが第一王子にダンスに誘われました!
おめでたいことですね!
現場からは以上です!
「お待たせするわけにはいかないわ。私はここにいるから踊ってきなさい。」
「わかりました。よ、よろしくお願いします!」
「ありがとう可愛いお嬢さん。では失礼。」
エラは第一王子にエスコートされて会場の真ん中へ…
「あぁ、やっぱり絵になるわ」
「なにがだ?」
「へっ?」
「だからなにがだ?」
そこに立っていたのはこの国の第二王子のアルフリード様
「殿下、失礼いたしました。」
なぜ謝っているのだろう…?
「いや、いい。後ろから声をかけたのは俺だから。で、何が絵になるんだ?」
素直にいってもいいのか?
エラに敵意が向かないといいけど…
よし、ここは王子を信頼しよう!
「アドルフ様のダンスがとても優雅で絵になると思いまして…」
「たしかにな。兄上は向かいの女性に惚れたのだろう。兄上はそもそもダンスはしない主義の人だからな。もしかして兄上狙いだったか?」
アニウエネライタツタカ?
「いえいえ、めっそうもない。私はただ綺麗だと思っただけです。」
顔だけでいうならアルフリード様の方がタイプです!
アドルフ様はかっこいいけど、キラキラしすぎてなぁ…
「そうか、なら俺と踊ってくれないか?」
「え?」
「なんだ?嫌か?」
いやいや、なんで私なのか問いたいだけ!
それにアルフリード様はダンスは嫌いだっていってたような…
兄弟そろってダンス嫌いとは…
「いえ、嫌というわけではないのですが、アルフリード様はダンスは嫌いというのを聞きましたが?」
「別に嫌いじゃない。が、相手の女性がダメなんだ。」
私女ですけどぉぉぉぉぉぉ?!
「その点お前は媚びないし、俺を使って兄上を狙ってるわけでもなそうだし、何より女よけになる。」
はぁ?