君の言葉は私を刺す

【波人 side】

また言うし。




前にも聞いたよ。




好きだ、好きだってうるさい。




更衣室を出て、会場の裏を1人歩いて静かな場所を探す。




俺は女が嫌いなんだ。




あいつにも、俺の嫌いな女の姿が見える。




いつもなら見ないようにしてるんだ。




でも、俺に関わってくるから、避けるにも付いて来るから、俺は酷い言葉を口にしてしまう。




特に泣くのが嫌だ。




あの時もそうだ。




部室で1人泣きそうになって、机に突っ伏していた。





つまんない顔。




女々しい顔。




見る度に俺の心の奥になにか刺さるように、ズシッと軋む。




思い出しただけでも痛くなってくる。





おれがこんなに女が嫌いなのには、理由がある。





俺の母親が原因。





簡単に言えば、父親の不倫。




それを知った母は精神が壊れていった。





すぐに泣く、すぐに怒る、すぐに叫ぶ。





小学生の時から中学生まで続いた。





母親は弁護士だ。




中学三年生の時に母は、仕事に生きるようになって、前ほどひどくはなくなったが、今でも泣くんだ。