君にサヨナラ

カーテンを自分で開けて外を見ると
雲ひとつない晴天

「南乃花ちゃん?今日は起きるの早いね」

━コンコンッ

とドアをノックして原さんが入ってきた

「ちょっと小さい頃の夢を見ちゃって」

「そっか…」

原さんは私の小さい頃のこともよく
知っている

だって

お父さんが死んだのはこの病院だから…

それに、その時の担当の人が原さんだった

だから原さんは私が小さい頃の事って
言えばそれ以上何も言わないでいてくれる

「南乃花ちゃん。はい。検温ね」

お父さん…

お父さんは死ぬのが怖くなかった…?

私は…怖い…

こんな綺麗な空を明日には見られないかも

原さんとこうして話すのも今日が最後
なのかも

って…

すぐ考えちゃってる

でもさ…

私が死んだらお母さんは無理して働か
なくても良くなるよね…

それに空の上にいるお父さんも1人じゃ
なくなるよ…私が行くから

だから…

「原さん。いつもありがとう」

後悔しないように

「南乃花ちゃん急にどうしたの?」

胸張ってお父さんの所に行けるように

「ううん。なんとなく言ってみたく
なっただけ」