白露(はくろ)とは陽暦(ようれき)九月八日ごろ。秋の気配(けはい)が立ちそめる頃だ。

イデアルは通学路から秋の気配が一気に押し寄せた水守市を眺めました。湿地帯も草紅葉(くさもみじ)となる季節。

田んぼで稲刈り作業をするトラクター。

「はあ。
寒いわね」と長月遥。通学路だ。

「そうだなあ」とイデアル。

「で、テレビどうよ?」と長月遥。
「あ。
おはぎの特集をしていたと思う。
お彼岸(おひがん)だからなあ」とイデアル。

おはぎとは蒸したもち米を小豆(あずき)(あん)でくるんだ和菓子である。

その日イデアルと長月遥は和菓子である「おはぎ」を買うことを約束しました。

そして、お彼岸が近づいていき、季節は秋を()る。