星見の塔。

イデアルと長月遥が何やら話し合っている。

「トリシア先生シリーズで、星見の塔のエピソードがあったな」とイデアル。

「星見の塔と名付けたのは、トリシアでしたね」と長月遥。

「我々も星見の塔を持とうじゃないか?」とイデアル。
「確かに。

しかし時折、我々の人生は重いテーマを抱えている、とそう思いますよ。
風が窓を揺らす音さえも苦しいような」と長月遥。

イデアルは少し目を細くすると。

「それは少し感覚が過敏なんじゃないか?」
「そうかもしれませんね」と長月遥。

「あるいは星見の塔も「それ」から逃れる手段なのか・・・」とイデアル。
「考えても仕方ないことです。
風が揺らす窓の音が怖いのは地震や気象変動の影響でしょうね。怖さだ」