·3+9=

長月遥は数学の問題をしていた。
暗算で電力代を出したりする。

いくつかの数式は確かにヒントになるのだ。

たとえばブロック線図やピザの作り方の数式とか。

あるいは宇宙に生命体がいる見積もりを暗算で考えたり、とか(ドレイクの公式)。かけ算である、ドレイクの公式は、SNSに自分と似たひとはどれぐらいいるか、ということにも応用できる。

なによりも長月遥が数学をとくに気に入ったのは一日に二十四時間が「ローコストな研究室」になる、という仕組みであった。これは検算用のグルコースとくわえて黒板やノートさえあればいいからであった。