・マラケシュの商人。

イデアルは女子高校生である。
放課後、学校にある小さな図書室でアラビア語の語学本を借りる。語学本の大半が数年前にグローバル教育プログラムとともに配属されたものだった。

同行をする長月遥が指摘。

「我々長期的な視野に立たねばなりません。
地球環境や地域の社会を維持する必要があるのですから」

「だから学校で勉強し本を読むんだよ」とイデアル。
「学びは一生続くでしょうね」と長月遥。

図書室で、リンネが会話に加わる。
「ローダンが案外と良いかもしれない。
神話と小説の融合型のストーリー」

イデアルはかつて自身が空想したヨールドを思い出した。そしてさらに北極も。アラブも。

「「それ」を味わうときに我々は「それ」となるんだよ」