「いいねぇ。そのカオ。そう、そのままずぅーっと私の方だけ見ててよ?ね?」

テマリは椅子から立ち上がり、おもむろにこっちに向かって歩いてきた。
俺はその場に尻餅をついてしまう。
恐怖で声も出ない。

「私ね…カミトのこと大好きだったんだよ?朝も昼も夜もずっとカミトのことだけ考えてた。カミトのかっこいい顔も声も性格もバスケしてる姿もぜんぶぜんぶ大好きだった。だからさ、他の女と話してるカミトを見ると吐き気がして目眩がして心の底から殺意が込み上げてきて気が狂いそうだったよ。…こんなにもカミトを愛してるのに、カミトは分かってくれないんだよね。ならもうこうするしかないよね!」

テマリは俺めがけて包丁を振り上げた。