でっかいキャンバスとにらめっこするテマリ。
自分から振っておいてあれだけど、絵を描いてる時のテマリはやっぱり好きだな。

「ねえ、もっと笑って!」

ボーッとテマリのことを見つめていた俺に、テマリは注文をつけた。
ニカッと笑う俺。
納得した表情のテマリ。

しばらく鉛筆を動かした後、何か納得出来ないのか、うーん、とうなるテマリ。

「ごめん、やっぱり椅子いらない。そこに四つん這いになって。」

…?一体どんな絵を描きたいのか?
不思議に思いながら地べたに四つん這いになる俺。

「そう。それで顔はずっと私の方だけ見てて。」