温かい手で背中が撫でられ、震えが徐々に収まっていく。
「ババはいるかい?」
私を立ち上がらせながら三門さんがそう叫べば、「ここにいるよ、三門の坊や」と今朝がた本殿の前で会ったおばあさんがどこからともなく現れる。
「麻ちゃんを連れて社務所へ。僕はあの子の怪我をみてから行くから」
「はいはい、早く行ってやりんさいな」
おばあさんは私の肩を抱くと、三門さんにひらひらと手を振る。ひとつ頷いた三門さんは、私の顔を覗き込みもう一度頭に手を置いた。
「僕も直ぐに向かうから、しばらくこのおばあちゃんと一緒にいてね。大丈夫、怖がる必要はないからね」
それだけ言い残すと、泣きじゃくる子どもに駆け寄った三門さん。
「それじゃあ行こうか」
おばあさんに促され、私はなんとか足を動かした。

