「お姉ちゃん?」
子どものようなその異形の何かが私の前に座り、顔を覗き込む。
ひっ、と喉の奥が鳴った。後ずさりをすれば、それは不思議そうな顔をして足を踏み出す。
「こ────『来ないで』!」
伸ばされた小さな手を振り払ったその瞬間、ばちっ────と静電気を大きくしたような音が鳴り響き、子どもの体は三メートルくらい後方へ跳ね飛ばされる。
驚いて目を丸くするその子ども。次第に顔をしかめ、そしてわあっと火のついたように泣き出す。
四肢の先が凍っていくような感覚に陥る。
「あっ、ああ……」
喉の奥が震え情けない声が出た。異形のモノたちが、私をじろじろと見る。
────怖い、怖い。
強く目を瞑り、自分の体を抱きしめその時。

