「あ、」 私の手を握るその腕が、まるで亀の皮膚のようにごつごつとしていて深緑色だった。 ゆっくり顔をあげた。 深緑色の顔からぎょろっと飛び出たビー玉のような灰色の目と目が合う。黄色い唇が「どうしたの?」と言葉を発した。ぼさぼさのおかっぱ頭には、ヒビの入った陶器の皿。 「なんだなんだ」と集ってくるのは、ひとつしかない目のモノ、口が大きく避けたもの、首が異様に長いモノ、頭から角が生えたモノ。 皆人の形をしていて、でも明らかに人ではない特徴がある────人ではない何か。