あやかし神社へようお参りです。



 体の温度が一気に下がる。

 自分の顔から血の気が引いていく感覚がよくわかった。



 「────い、いやあああああああっ」



 無我夢中で社頭に飛び出し、髪を振り乱しながら走った。

 助けを求めるように明るい方へと走っていれば、どん! と体に衝撃が走り、その場に尻もちを付いて転んだ。

 地面に着いた掌に、じんわりと痛みが広がる。


 「お姉ちゃんごめんね、痛くない?」


 頭上から幼い子供の声が聞こえて、すっと手が差し出される。

 すがるようにその手を握ったその瞬間、まるで氷のようなその手の冷たさに背筋にぞわっと寒気が走った。