社務所の陰からそっと顔を覗かせれば、溢れんばかりの光に目がくらんだ。
強く目を閉じ、そしてゆっくりとまた開ける。
その光は、紐からつるされたいくつもの提灯が発するものだった。
達筆な字で『結守神社』と名の入った赤提灯。それに照らされたたくさんの人影が往来している。
参道を挟むようにして、いくつもの屋台が並んでいた。
「いらっしゃい!」「買っていきなよ、そこの婆さん!」「やあや、おひとつ頂戴な」次第に声がはっきりと聞こえはじめ、そんな声が飛び交っているのに気が付いた。そして、それを買い求める人々の声だ。
やっぱりお祭りだったんだ。

