少女はいつも、貰ったすねこすりのお手玉を肌身離さず持っていた。食事も風呂も眠るときさえも、そばにに置いてともに過ごした。
そして、いつものようにお気に入りの縁側に寝転がりながら、すねこすりのお手玉とままごとをしていた時だった。
こん、と少女の背後に何か小さいものが落ちてくる音がした。振り返った少女は、腹ばいのまま廊下を進み、床をくまなく探す。
すると少し離れた所に、日の光でつやつやと光る何かを見つける。少女はぱっと笑顔になって駆け出した。
「小豆! 家鳴がいるんだ!」
少女は弾けんばかりの笑顔でそう叫んだら、今度は目の前に小豆が三粒振ってきた。少女は興奮気味にその場で足踏みをしてそれを拾う。
「返してくれてありがとーっ! また来てね、絶対会いに来てね!」
天井がしばらくきしきしと軋み、やがて静かになった。

