ふたりはたくさんの話をした。彼女たちが住む町のこと、その町の昔話、そして妖のこと。
「おばあちゃん、それは何を作っているの?」
「真由美が妖を見ることができるおもちゃだよ」
「私にも妖が見えるの⁉」
身を乗り出した少女は、興奮気味に声をあげる。祖母は穏やかに笑うと、縫っていた小さな袋に小豆をひとつかみ入れてその口を縫って閉じた。
少女は両手を差し出す。その手の上に、ちょこんとそれが乗せられた。
「すねこすり、という妖なのよ。可愛らしいでしょう」
「可愛いーっ! すねこすりのお手玉だ!」
少女はそれをかざして、頬擦りをして、胸に抱きしめて、祖母を驚かすくらいに喜んだ。
「すねこすりって、こういう妖なんだね! 猫ちゃんみたい。本物もふわふわなの?」
「ふわふわよ、でもちょっと厄介なのよ」

