「……おばあちゃん」
「真由美ちゃん、こんな暗い所にいたの。一人ぼっちは寂しいでしょう、おばあちゃんとお話ししましょう」
少女は差し出された手を握って一つ頷く。少し硬い手で頬を撫でられ、そのくすぐったさに肩を竦めて笑った。
ふたりは月明りの眩しい縁側に腰を下ろした。
既にそこに置いてあった裁縫箱を弄り始めた祖母の手元を、少女は興味深げに覗き込む。さらにその隣には、笊に入った大粒の小豆が置いてあった。
「おばあちゃん、その小豆どうしたの?」
「小豆洗いから買ったのよ」
手を止めた祖母が人差し指で目を吊り上げて、前歯を出す。
「こーんな顔」
「変な顔!」
少女は声をあげて笑った。
そして甘えるように祖母にすり寄った少女は「もっとお話して」と瞳を輝かせる。そんな孫娘を愛おしそうに見つめた祖母は、「何を話しましょうかしらね」と、少女の赤い頬を擦った。

