少女が一人、広い部屋のすみで膝に顔を埋めている。隣の部屋から聞こえてくる賑やかな声が聞こえ、少女は一層身を固くした。
廊下がバタバタと騒がしくなり、障子に少女と同じ年くらいの少年たちの影が三つ映った。
「ねえー、大ちゃん。真由美姉ちゃんは?」
「あれ、真由ちゃん、さっきまではいたんだけどね」
「ちぇ、裏の社に行こうって誘おうとしたのに」
「やめとけ、健一。真由美は妖が見えないんだぞ」
少年たちの影は、またバタバタと走り去っていった。
少女は耳を塞いで腕に強く顔を押し当てる。畳の上にぽたぽたと涙が落ちた。
すると、少女のいる部屋の障子が静かに開いた。音に気が付いた少女がはっと顔をあげると、和服を着た白髪交じりの女性が少女に歩み寄る。彼女の祖母だった。

