「誰がどのタイミングで神社を継ぐのか、どんな特別な力を授かるのか、それは全部、ユマツヅミさまがお決めなさるんだ。簡単に言うと、まあ、運命なんだよ」
言いたいことが分からずに曖昧に頷いていると、おじさんは少し切ない顔をして笑った。
「昭徳おじさん、僕の父さんの智明、弟の浩二も健一も、そして息子の三門も。みんな言霊の力や他の特別な力を授かっている。でも、唯一何も授からず、妖もみることができない女の子が生まれたんだ」
あ、と声が零れた。その通りだ、とばかりにおじさんは頷く。
「昭徳おじさんの娘、真由美。麻ちゃんのお母さんだけは、何も持って生まれなかったんだよ」
幼い頃のお母さんを教えてもらった。
いつも泣いていた幼少期。親族が集まった時には、いつも部屋のすみで膝を抱えているような子供だったらしい。
安易に想像がついた。
自分だけが妖を見ることができない疎外感にたいする寂しさは、いつしか怒りに代わり、恨みに代わり、憎しみにかわり────そしてこの社からでていった。やがて、出会ったお父さんと結婚して私が生まれたのだ。

